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変圧器と直流

学習指導要領: GCSE, Sek I/II

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目的

変圧器が直流ではたらくかどうかを調べ、一次コイルの電流が変化するときにだけ二次コイルに電圧が生じることを確かめます。

実験装置

6 V の直流電圧源が、スイッチと電流計を通して変圧器の一次コイル(巻数 2000、抵抗 40 Ω)につながっています。二次コイル(巻数 1400)には、3.5 V / 0.5 W の電球とDCモードの電圧計がつながっています。スイッチは開いています。

手順

  1. スイッチを閉じます。電球と電流計を観察します。
  2. 数秒待ちます。電流計と電圧計の値を記録します。
  3. スイッチを開きます。電球を観察します。
  4. 電球が光るようすがよく見えるように、シミュレーションの速度を下げて実験をくり返します。
予想される結果

スイッチを閉じると、一次コイルの電流は1秒足らずのあいだに徐々に増え、約 0.15 A で一定になります。電流は巻線の抵抗で制限されます。磁束はゆっくり変化し、誘導される電圧は小さく、電球はほとんど光りません。フィラメントがわずかに赤くなるだけで、暗い所でしかわかりません。電流が一定のあいだ、二次コイルの電圧計は 0 を示し、電球は消えています。スイッチを開くと電流が急に断たれ、電球は定格のときの2倍の明るさで強く光り、4分の1秒以内に消えます。誘導電流は約 0.2 A で、電球の定格電流の1.4倍です。二次コイルの電圧は変化する磁束によってのみ誘導されるので、変圧器は直流でははたらきません。

一次コイルの電流が制限されているのは偶然ではありません。実際の変圧器の鉄心は直流で飽和することがあり、スイッチを開いたときの大きな電流が巻数に応じた割合で二次回路に移り、電球を断線させてしまいます。

問題

  1. スイッチを開いたときのほうが、閉じたときより電球が明るく光るのはなぜですか。
  2. スイッチを閉じた直後に、一次コイルの電流がすぐに増えないのはなぜですか。
  3. 変圧器が交流回路でしか使われないのはなぜですか。
解答
  1. スイッチを閉じると電流と磁束は徐々に増え、磁束のゆっくりした変化は小さな電圧しか誘導しません。スイッチを開くと 0.15 A の一次電流はほぼ一瞬で止まり、鉄心の磁場にたくわえられていたエネルギーが二次回路に移ります。磁束は約 0.15 A · 2000 / 1400 ≈ 0.2 A の電流を電球に流しつづけ、これは電球の定格電流の1.4倍です。
  2. 巻線は鉄心に2000回巻かれているので、インダクタンスが大きくなります。増えていく電流は増えていく磁束をつくり、この磁束が巻線に電流の増加を妨げる向きの電圧を誘導する(自己誘導)ので、電流は 6 V / 40 Ω ≈ 0.15 A に徐々に近づきます。
  3. 変圧器は変化する磁束を通してのみエネルギーを伝えます。直流では磁束は一定で、二次コイルには電圧が生じません。また、直流では一次電流は巻線の抵抗だけで制限されます。初期設定の巻数 500 の一次コイル(2.5 Ω)なら、6 V の電圧源は約 1.9 A の電流を流し、実際の巻線は過熱してしまいます。