コイルによる電流の遅れ(電球2個)
学習指導要領: APC, Sek II
目的¶
回路を閉じたときに、コイルが電流の立ち上がりを遅らせるようすを観察します。
実験装置¶
6 V の電圧源とスイッチ(開いた状態)があります。6 V / 0.5 W の電球を含む並列につながった2つの分岐があり、下の分岐は電球と 20 Ω の抵抗、上の分岐は電球と 100 H のコイル(巻線抵抗 20 Ω)です。
手順¶
- スイッチを閉じ、両方の電球のようすを観察します。
- スイッチを開きます。
- コイルのパラメータカードでインダクタンスを 10 H に下げ、同じことをくり返します。
予想される結果
抵抗とつないだ電球はすぐに点灯し、コイルとつないだ電球は1〜2秒ほど遅れて点灯します。その後は2つの分岐の抵抗が等しいので、明るさは同じになります。スイッチを開くと、2つの電球は約0.5秒でいっしょに消えます。コイルの電流は2つの分岐がつくるループを流れつづけ、両方の電球を通るからです。電流の立ち上がり時間は約 \(L / R\) です。10 H では遅れは10分の1の約0.1秒になりますが、それでも目で気づくことができます。巻線が 20 Ω で 100 H のコイルはとても大きなものです。学校で使う鉄心入りのコイルでは \(L / R\) は1秒に満たず、実際の実験装置での遅れも同じくらい短くなります。
問題¶
- コイルが、電流が一瞬で増えるのを妨げるのはなぜですか。
- 定常状態で2つの電球が同じ明るさで光るのはなぜですか。
解答
- 電流が変化するとコイルの磁場が変化し、変化の速さに比例する自己誘導起電力 \(L \cdot \Delta I / \Delta t\) が、変化を妨げる向きに生じます。電流が一瞬で変化するには無限に大きな起電力が必要なので、電流は約 \(L / R\) の時間をかけて徐々に増えます。この実験装置の 100 H では1〜2秒です。
- 定常状態では電流はもう変化しないので自己誘導起電力は生じず、コイルは巻線の 20 Ω としてはたらきます。すると両方の分岐で、電球と 20 Ω の直列接続に同じ電圧がかかるので、電流も明るさも等しくなります。